意識高い系?ビジネスにおけるカタカナ語について
結構前から巷でいろいろ言われている「ビジネスカタカナ用語」について、僕が思っていることを書きます。
「ゼロベースで考えよう」とか「プライオリティ決めないとね」とか言ってくる人たまにいてますね。俗に言う「意識高い系」というやつですね。
意識高い系という言葉ができてから、ビジネスカタカナ用語を使う人全般をそう呼称してすこし小馬鹿にする傾向がかなり強まった気がします。造語って便利ですね。
ですが、カタカナ語使う人がみんなそうなのでしょうか?
まず前提として、カタカナ語の大半は英語由来です。日本語と英語は別の言語ですので、言葉が持っている概念というのは全く違います。直訳が100%の意味まで伝えられているとは限りません。
例えば「ジェンダー」という言葉があります。日本語での「性別」という言葉に相当します。しかし、「かっこつけずに性別って言えばいいじゃん!」というわけにもいかないのです。
「社会的・文化的に形成された性別」をジェンダーと言います。ただ単に「性別」という言葉で表現してしまうと、本来の意味合いがほとんど伝わりません。
多様化が進み「性同一性」の揺らぎも個人の権利として主張されている今、そういう多種多様な世界との相互理解のためには必要な概念なのではと思います。
ちょっと話はそれましたが、そんな風にカタカナ語もちゃんと使う意味があって使われている場合もあります。というわけで、仕事上でちゃんと意味があって使われるビジネスカタカナ用語と、意味なく使われるものを分けてみました。
必要性があって使われるカタカナ語
アドバンテージ
有利な点・利点・優位・優勢を意味します。日本語でいいような気もするかもしれませんが、有利/利点は無意識的に不利/欠点という言葉も連想してしまうので対比的な意味合いが強くなります。公の場やビジネスの場など、シビアな場面で意味合いを和らげる為に使うのはやむを得ないかなと思います。
エビデンス
証拠を意味します。これも上記と同様で、証拠というと多くは犯罪/犯人などのマイナスイメージを無意識的に抱くと思います。「証拠を出してください。」と言うのは、心理的に攻撃的な印象があるので好ましくありません。
ウィンウィン(win-win)
「お互いにとってメリットのある状態のこと」です。「相互繁栄です」って言う人もいますが、繁栄とメリットがあるは意味が変わってきますので違うと思います。これ、ビジネスに限らずいちばん大切なことだと思うんですが、結構馬鹿にされがちで残念です。
ベネフィット
正直これは際どいですね。日本語で利益の意味に近いです。利益というとお金を連想しますが、それはプロフィットです。ベネフィットはお金ではないプラスのことなので、利益とは少し印象が違いますね。ベネフィットとプロフィットを混同すると「ビジネスなんて全部お金儲けで悪徳だ!」って思い込んじゃいます。
◆OKとは言いつつも...
実際にこの言葉を使うのは恥ずかしかったりするので、大抵の場合は別の長い日本語に言い換えて伝える場合が多いかなと思います。しかし、考え方としては大切なことかと思うので知っておいて損はないはずです。
使う必要性の薄いカタカナ語
アグリー、アサイン、アジェンダ、アライアンス、コンセンサス、コンペティター、スキーム、ゼロベース、タスク、バジェット、バッファ、フィックス、プライオリティ、マター、メソッド、リスケ...
これらのカタカナ語は、代替となる日本語でほぼ意味をカバーしているので使う必要性は薄いです。これを多用する人はデキる人ぶりたい「意識高い系」の可能性が高いです。(僕がちゃんとした意味を知らないだけかもしれなかったらすみません。)
結局...
僕が主張したいのは、「カタカナ語(笑)意識高い系(笑)」とカタカナ語を全面的に小馬鹿にしたり、「ビジネス用語使えるデキるビジネスマン!」と何でもかんでもカタカナ語使ったりっていう二極化はあんまり良くないんじゃないかなということです。
それぞれの言葉の持つ意味を知るっていうのはとても大事だと思います。言葉の限界=思考の限界なので。
また、扱う言語が違えば考え方や概念も大きく変わってきます。(バイリンガルの人が成長過程でアイデンティティの欠如に陥りやすいのはその為です。)
これだけ考え方の多様化がぐいぐい進んでる今こそ、言葉の意味っていうのを再認識して、意味と意志をもって言葉を使うことが大切じゃないかなと僕は思います。
以上!