そういう考え方もあるよね

っていう何でもありの雑多ブログ。

「日本の就活はクソ」はただの思い込み?【就活生じゃない人にも読んでほしい】

f:id:kangaeru-ashi:20160512222933j:plain

日本の就活はクソだ

最近そんな言葉をネット上の至る所で目にします。確かにめんどくさい思いをしながら就活をして数十社~数百社落ち続けて「就活はクソだ!」って気持ちにもなりますよね。就活制度に問題があるという意見も一理あります。

ただ、何だか盲目的に文句を言ってるだけの人間が目立ってきていませんか?twitterや2ちゃんまとめを見てるとそう思います。

かなりキツめで上からな内容ですが、そんな現状に対して僕が思っている事を書きました。できれば、途中で「なんやこいつ偉そうに」ってやめずに最後まで読んでください。

優秀な人間って?

内定貰えないとイライラしますよね。じゃあ逆に、難なく内定を貰っているのはどんな人間でしょう?

もちろん優秀な人間ですよね。でもそれは、天才でもなく特別な才能もないただの人間。じゃあ何が違うのか?シンプルに言うと意志があるかないかだけです。学力だとかコミュ力だとか、そんなもんはおまけです。

そういった意志を持った人間は、大概が自主的に学習活動・社会活動・創作活動だとかをしてます。評価のためにやらされてるんじゃなく、自主的にやりがいを見つけて行動してるわけです。

行動してるからもちろん何らかの実績やエピソードがある。そしてそれは紛れもない事実なので履歴書に堂々と書きますよね。隠す必要はないです。

そういう人たちに対し「嘘だろwww」「必死過ぎワロタww」「意識高い系ww」とか思ってませんか?何もやってない自分を正当化しようとしてませんか?ネットではよく見かけます。

そして、そうやって馬鹿にしたがる人間ほど就活で嘘をつくのです。面接官のウケばかり考えて、何もない自分を偽るために嘘をつく。その嘘がばれないと思ってるのでしょうか?就活のために取り繕った嘘なんてすぐボロがでます。

そして面接に落ち「日本の就活はクソ!」って文句を垂れるわけですね。

右にならえ

ところで、就活に文句たらたら言ってる人の大学生活はどんな感じだったんでしょうか?こんな感じじゃないかなーと勝手に思ってます。

  • 講義に行く理由は、単位を取るため
  • 講義を選ぶ基準は、単位の取りやすさ
  • レポートを書く理由は、出さないと単位取れないから
  • 受験頑張って良い大学に入れたから、あとは遊ぶ

こんな具合でしょうか。そしていざ就活になって「何をすればいいかわからない」「何もしたいことがない」って、そりゃ落ちるの当たり前ですよね。

意志が無いから、とりあえずワケもわからず周りに合わすしかない。よくわからないけど、そういうもんだからそうする。そして「みんな同じことして気持ち悪い。日本の就活はクソ。」と文句を垂れる。

そんな「自主性もないし特筆したスキルもないけど、現状に文句だけは垂れる生産性のない人間です。おまけに就活では嘘つきます。」って人間をどこの企業が欲しがるんでしょうか。採用活動は慈善事業じゃありません。

ポテンシャルのある若者を採用して育てるのは企業の役目だ!」って思いますか?確かにそうですが、それは育てられる側が言うセリフではないです。何でしょうその「お客様は神様です」的な発想は。何のためのモラトリアム期間だったのでしょうか。高等教育まで終えといてそれはないですね。

どこの国の就活制度ならいいの?

日本の就活に文句垂れている人は、どんな就活形態であれば満足なのでしょうか?例えばアメリカの就活の特徴をあげると、新卒一斉採用の制度はありませんが「即戦力」と「実績」が重視されてます。(参考:世界の「就活」ってどんな感じ? 新卒&転職を「アメリカ・香港・スペイン・ベトナム・ドイツ」で追ってみた。

じゃあここで質問ですが、「何もしたいことがない、働きたくない」っていう非生産的な人間に、即戦力になるだけの能力・スキルはあるのでしょうか?面接で嘘偽りなく胸を張って言える実績はあるのでしょうか?もしあるなら、日本の就活制度でもすんなり受かるのではないでしょうか。

むしろ、日本の新卒採用制度というのは意志の薄い「なんとなく人間」にも平等に一定のチャンスが与えられるかなりイージーな制度なのではないかと思います。新卒であるだけで一定の価値があるとみなされてますよね。

日本の就活にひたすら文句を言い、落ち続けてる人って「営業は嫌。休日少ないから嫌。福利厚生がしょぼいから嫌。」嫌嫌嫌嫌....で選んでないですか?

問題は「噛み合っていない」ということ

先ほども書きましたが、新卒採用制度は「現状は意志のない人間」にも一定の雇用チャンスが与えられる優しい制度だと思います。高等教育終えたら相応の知識は持ってるはずだということが前提で。ポテンシャル採用ってやつですね。

つまり、そもそも即戦力を手に入れるための制度じゃないんです。

現代はグローバル化のおかげで企業は「世界」という土俵に乗っかってます。つまり企業の考え方も仕事スタイルもグローバル化がどんどん進んでいます。

それに加えて、IT化機械化により日本のお得意な技術継承修行というものの価値はすっかり薄れてしまいました。そんな状況で日本企業はアイデンティティを変化させざるを得ないわけですね。

そしたら企業意識はどんどん欧米化し、「即戦力」を欲しがるようになります。そうしないと世の中の動きに付いていけなくなっているのです。

でも就活制度は新卒一括採用という、即戦力雇用にフォーカスしてない制度のまま。つまり、噛み合っていないのです。だから制度が悪いというのもある意味正解なのです。

(あ、ここで「制度が悪いんだ!就活制度が全て悪いんだ!」と言うのは違いますよ)

それに加えて、価値観の多様化や情報社会のおかげで「社畜」という言葉が流行して、働きたくないけど嫌々就活をする人間が溢れています。整理してみると下記のようになります。

  • 即戦力を欲しがる企業
  • ポテンシャル採用にフォーカスされた就活制度
  • ポテンシャル以前にそもそも働きたくない学生

何一つ噛み合ってないですよねこれ。そんな噛み合ってない状況だからこそ、企業から見れば「就活制度に振り回されない意志のある人間」っていうのはすごく目立つわけなのです。

 就活制度は変わりつつある

近年、以前よりも就活解禁日が後ろ倒しになっています。ということはつまり、「就活期間が短くなっている」ということです。これを周りは「こんな短い期間で人生を決めさせるとかおかしい」と、さながら短期決戦かのように言っていますね。

いやいやちょっと待ってくださいよと。「就活期間の間に決めろ」だなんてのはただの思い込みではないでしょうか。就活期間に「採用活動を行う」と言ってるだけで、周りが勝手に「短期決戦だ」だとか騒いでるだけです。大学に入って考える期間が2〜4年もあって何が短期なのでしょうか。

そうやって就活は「意志のある人間」に有利な状況へと変化しています。大学初期の頃から自己やキャリアのことを考えている人間にとっては、就活期間の短さなんてそれほど大きな問題ではないはずなので。そしてその傾向はこれから更に進むと思います。

「自分」の重要性

意志」とは、自分が何をやりたいのか?何をするべきなのか?ということ、つまり「アイデンティティの認知」です。急速に変化していく世界でアイデンティティ/自分らしさというものが今よりも更に重要視される時代が必ずやって来ます。そして日本全体もそういった方向へ意識的に進む必要があるのです。実際、その変化が下記のような点からも感じられると思います。

  • 就活の変遷(即戦力採用化など)
  • 教育の変化(インクルーシブ教育化など)
  • 社会の多様化(youtuberなどの新しい職業概念の出現など)

社会風潮からも強く感じることができると思いますが、先進国の中で日本はアイデンティティの概念が圧倒的に弱いです。なぜかというと、日本は長い目で見ると「国境に面した他国民族との関わり合い」が非常に薄かったからです。アイデンティティとは他との関わり合いの中で認知するものです。

国際化の当初は、大和魂/サムライスピリッツなどと呼ばれる日本独自のアイデンティティもありました。しかし、急速なグローバル化により今や日本の様式はすっかり欧米化し、限りなく薄れています。そしてその変化に私たちの魂は付いていくことができていません。それに加え、世界の急速なIT化や機械化にも私たちの魂は振り回されています。そんな状況だからこそひとりひとりのアイデンティティに対する意識が重要なのです。社会/国/世界とは人間ひとりひとりによって成り立っているのです。

決して「古き良きアナログ時代の大和魂」をそっくりそのまま取り戻せということではありません。失われてしまったものは取り戻すことはできないのです。だから時代に合わせ再構築することが重要なのです。

そしてこれらの考えが、僕がブログを開設した理由のひとつでもあります。このブログで散々テーマにしている「哲学(理解/分解/再構築)」や「自分で考えること(アイデンティティの形成)」が必ず重要になるのです。

そして、ひとりひとりが美しく生きる(アイデンティティの表現)。それが大切だと僕は確信しています。仕事がどうのこうのではなく、生き方です。

じゃあ就活生はどうしたらいいの?

話を戻しますね。

教育がどうとか世界の変化がどうとか言ってますが、いま現在就活に直面している人間にそんなことは関係ありません。

じゃあどうすればいいのか?残念ながら、皆に共通した裏ワザなんてものはありません。

だから周りにいる人間に相談してください。それが進路指導の教員である必要はありません。自分が「いちばん信頼できて、いちばん自分を持っていて、いちばん頭が良いと思う人たち」に相談してください。 真剣にです。就活の愚痴ではなく。

そして、ただアドバイスを聞くだけではなく自分自身のことを話してください。

もう一度言いますが、アイデンティティとは他との関わり合いの中で認知するものです。人の話を聞いて理解し、自分の頭で考え、自分自身を表現することが大切です。

本当に大切だと思っていることなので強引な言い方となりましたが、少しでも伝われば嬉しいです。

以上!!